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居合の伝統
一、居合術とは
居合術とは抜刀の瞬間に敵を仆すところの抜刀それ自体のみに関する《術》である。換言すれば、刀を武器として斗争せんとするに際しての、抜き打ちを居合と称す。
(『居合道真諦』無双直伝英信流正統第二十代宗家河野百錬先生著より略述)
二、居合術始祖
足利時代末期(永禄年間の末期)、奥州の住人にして最上家の臣、林崎甚助源重信先生が 現在の山形県村山市林崎の林崎明神に祈願参籠、神明の加護に依り抜刀術の精妙を極め、 《抜き打ち》即ち《純粋の居合》を創案、林崎夢想流居合を開創する。
此の林崎甚助源重信先生を本邦居合道中興の祖、居合諸流の開祖と仰ぐ。
《純粋抜刀》術の創案者なり。
林崎明神に居合大神として合祀される(日本一社林崎居合神社)。
故に《林崎甚助源重信公》と尊称する。
流祖神傳以来、代々その傳統を継ぎ、幾多の分流・分系を生み名手を輩出し、その本源の一点に於いては毫も変わることなく傳え以って今日に至る。
(無双直伝英信流正統第二十代宗家河野百錬先生・無双直伝英信流正統第二十一代宗家福井聖山先生・無双直伝英信流正統第二十二代宗家池田聖昂先生の著書を基に略述)
三、居合道の伝統(無双直伝英信流正統宗家の系譜)
初代 林崎甚助源重信(始祖・林崎夢想流開祖)
二代 田宮平兵衛業正(田宮流開祖)
三代 長野無楽入道槿露斎(無楽流開祖)
四代 百々軍兵衛光重
五代 蟻川正左衛門宗続
六代 萬野團右衛門尉信定
七代 長谷川主税助英信(長谷川英信流祖、享保頃、江戸に住み、武芸百般の達人とも称され、開祖を凌ぐ大天才・大名人、太刀抜刀術を打刀抜刀術に大変革、現在の立膝・奥居合)
八代 荒井勢哲精信
九代 林六太夫守政(剣術の師であった大森六郎左衛門正光から大森流居合を習い、江戸藩邸詰の時、英信流居合を学ぶ。土佐本国への帰国により英信流が土佐本藩に伝来。また、大森流を併伝し、英信流と併修した。これが現在の正座)
十代 林安太夫政詡(九代守政の婿養子)
十一代 大黒元衛門清勝
十二代 林益之亟政誠(九代守政の実孫)
十三代 依田萬蔵敬勝
十四代 林弥太夫政敬
十五代 谷村亀之亟自雄(谷村派)
十六代 五藤孫兵衛正亮
十七代 大江正路子敬(無双直伝英信流、流名統一・表業選定・業名改正)
十八代 穂岐山波雄
十九代 福井春政鉄骨
二十代 河野稔百錬(大阪、全日本居合道連盟創設、大日本抜刀流編成)
二十一代 福井虎雄聖山(岐阜、大日本抜刀流を英信流抜刀法として無双直伝英信流居合表技に編入)
二十二代 池田隆聖昂(大阪)
二十三代 福井正孝将人(岐阜)
〔十一代 大黒元衛門から三代目が下村茂市定(下村派)、次が細川義昌、細川から中山博道(夢想神伝流)〕
(無双直伝英信流正統第二十代宗家河野百錬先生・無双直伝英信流正統第二十一代宗家福井聖山先生・無双直伝英信流正統第二十二代宗家池田聖昂先生の著書を基に纏め)